7.1期生 映像解説 



 

映像作品「新しいAKIBA 残る秋葉 〜都市再開発に迫る〜」

映像作品の見所
秋葉原といえば「オタク」、「アキバ系」、「キモイ」、「萌え〜」・・・そんなイメージがありました。しかしそんな考えはもう古い!?秋葉原が今ものすごい勢いで変化していっているのを知っていますか?つくばエクスプレスの開通からヨドバシアキバのオープン、更に計画されている秋葉原の「IT化」…。驚くべき計画が着々とすすむ秋葉原に我々は突撃取材を試みました。果たして将来の秋葉原は?秋葉原は世界に担うITの街になるのか?オタク、アキバ系達の今後はいかに!?

今回の作品は、昨年の11月に文化祭と同時に行われた学生フォーラム(研究発表)のために制作しました。向後ゼミの専攻である“メディア・リテラシー”の8つの要素を、実際に映像制作を実践しながら学んだという点が、一番の大きな特徴です。ただドキュメンタリーを撮るのが目的ではなく、あくまでメディア・リテラシーのフィルターを通して作ることが前提となっています。

今回、秋葉原をドキュメンタリーの舞台として選んだ理由は、オタク・メイドの街、秋葉原。そんなイメージをもって駅の改札を出ると、近代的なビルが目の前に立ち並んでいます。「これが秋葉原!?」と、イメージの違いに驚かされました。しかし、一歩小道に入れば、想像通りの町が広がっています。全く異なった顔をもつ部分をみて、この街はどうなって言ってしまうのだろう?と疑問を持ったからです。

現場で苦労したこと、分からなかったこと
今回のテーマは都市再開発ですが、最初の時点で、まずなんの知識もなく、コネもなく、お金もなく、本当に大変な状況でした。
とにかく難しいテーマなだけに、みんな四苦八苦していました。ひたすら試行錯誤を繰り返し他のにもかかわらず、まったく制作が進まず、日程が迫ってきてびっくりするくらい焦りました。泣きそうでした。

特に、アポイントを取ることが非常に難しかったです。非営利の学生の作品のために、インタビューに答えていただくことの難しさを痛感しました。さらに、日本人(特に秋葉原)への、街頭インタビューにも、ほとんどの人が答えてくれないという現実に驚きました。

取材・編集を通じて成長できたこと
実際に自分たちで制作することによって、テロップの入れ方1つで、大きく脚色できてしまったり、映像を並べ替えることで、事実とは異なった内容をできてしまうということを実感しました。そのとこにより、既存のマスメディアに対して、すべての情報を鵜呑みにするのではなく、疑問を持って見ることのできる目を養うことができました。

さらに、疑問におもったら、とにかく調べる、足を運ぶことができるようになりました。
しかし、仲間と協力して必死に考えた時間、取材で色々な人達の想いに触れた事、日本の文化の一つとも言える街を自分達なりに調べる事が出来た事(国際人を目指すなら自分の国の文化くらいは学ばなきゃいけませんものね)。すごく良い経験が出来たと思います。

メッセージ
メディア・リテラシーの8つの概念を知っていただきたいです。
@全てのメディアは構成されたものである。Aメディアは現実をつくる。B大衆はメディアによって互いに理解している。Cメディアは商業的な要素も含む。Dメディアはものの考え方と価値観を伝えている。Eメディアは社会的で政治的な意味を持つ。Fメディアの形式と内容は綿密に関係している。Gメディアはそれぞれ独特で審美的な形を持つ。

特に「全てのメディアは構成されたものである。」について注目していただきたいと思います。
例えば、テレビ番組を通じて流れてくるさまざまな情報はすべて、大なり小なり番組制作者の意図が含まれています。つまり、これからご覧頂く映像作品にかんしても、「何を撮るかの取捨選択」や「否定的に伝えるか肯定的に伝えるか」などの事柄はすべて、私たちの思想や趣味によってあらゆる情報操作がなされているかもしれないということを疑いながら作品と対峙する必要が皆さんにはあるということを忘れないでいて欲しいと思います。





7期生  映像班  榛葉 竜太 ・ 西村 朋久 ・ 橋本 力 ・ 山田 厚 ・ 宮内 祐子 ・ 山口 裕子